GAFAが驚異的に成長し、多くの日本企業が成長しないのはなぜか?

GAFAの成長がなぜ驚異的に早いのか?それに較べ、日本企業の成長はなぜ遅いのか?

松尾先生は、ビジネスの規模や収益を複利で運用した預金総額になぞって説明しています。

複利で運用した預金総額は下記の式のようになりますが、元本(a)や運用期間(t)を変えれないとするなら、預金総額をより増やすには、①利率(r)を増やす、もしくは②運用期間内の利率計算期間(tn)を短縮するしかありません。

ビジネスに置き換えると、「①利率(r)を増やす」は「利益率をあげる」ことになり、新製品を投入して利益率を上げたり、リストラをしてコストを下げることになります。

また、「②運用期間内の利率計算期間(tn)を短縮」は「ビジネスが完結する期間を短縮」することで、新製品の投入サイクルを早めたり、組織変更を短期間で行う、マーケティング施策を次々に改善することになります。

このように見ると、日本の大企業とGAFAは明らかに違うビジネスモデルだとみることができます。

製造業中心の日本の大企業は、「利率を増やす」、すなわち「利益率を増やす」というビジネスモデル

GAFAのような世界的デジタル企業は、「運用期間内の利率計算期間を短縮」、すなわち「ビジネスが完結するサイクルを短縮」というビジネスモデル

Googleでいつのまにか新たな機能が加わっていて、戸惑ったことがある人も多いでしょう。このことから、バージョンアップが頻繁に行われていることが推察されます。これは「ビジネスが完結するサイクルを短縮」する典型的な例です。

この考え方は、デジタル企業のみならず、製造業にも広がっているのではないかと松尾先生は考えています。電気自動車メーカーのテスラについて考えてみましょう。テスラの株価は、トヨタとアメリカ・ヨーロッパの伝統的な主要自動車メーカー時価総額上位7社の合計よりも大きい(2021年10月12日時点)ですが、その源泉は何か?テスラが行っていることを眺めてみると…

●ディーラーを持たない→ディーラーの時間軸(多くは四半期ベース)の影響を受けずに、消費者へのアクセスができる。

●口コミマーケティング→広告代理店の時間軸(多くは四半期ベース)の影響を受けずに、リアルタイムにマーケティング活動ができる。

●ソフトウェアのアップデートをWi-Fi経由でワイヤレスで行う→修理店の時間軸(多くは四半期ベース)の影響を受けずに、リアルタイムで性能を向上が図れる。

●工場の自動化の推進→人間が入った生産ラインでは配置転換等に時間がとられ、瞬時に生産体制を変更できないが、自動化されたラインでは、プログラムの変更のみで瞬時に生産体制を変更することが可能。

すべて、「ビジネスが完結する期間を短縮」することを目的にした行為ではないかと推察されます。

今後のビジネスの規模や収益を拡大するためには、「②運用期間内の利率計算期間(tn)を短縮」すなわち「ビジネスが完結する期間を短縮」することが大切になってきたということですね。

実は、バブルがはじけた2001年に出版された三枝匡さんの「V字回復の経営」にも、これに似たようなことが述べられています。

商売の基本である「創って、作って、売る」というサイクルを高速で回せば、競合に勝てるというコンセプトです。

いずれにしても、「利益率をあげる」ことにフォーカスした今の日本の大企業のやり方では、もはや通用しなくなってきていることだけは確かで、それは、ここ30年の日本経済の動向を見ればわかります。

はやく、「ビジネスが完結する期間を短縮」することの重要性に気づき、ビジネスの育て方を変えていく必要があるでしょう。

このブログでは、「ビジネスが完結する期間を短縮」するツールであるデータサイエンスについて読者の方々と一緒にディスカッションしていきましょう。


■松尾先生の話を生で味わいたい方は↓(配信は、2022.3.25まで)
 LEADERS Online「社会や産業を変える人工知能の未来」/提供:Sansan株式会社
 https://jp.sansan.com/v-seminar/innovation_archive_20220225/

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